旧東海道 駿河路の旅 2
2005.5.28 PHOTO by.ゆみ
蔦の細道を行く
『伊勢物語』に「宇津の山に至りて、わが入らむとする道はいと暗う細きに、つた、かへでは茂り、もの心細く…」と書かれた「蔦の細道」は宇津ノ谷峠越えの最も古い道。
天正18(1590)年豊臣秀吉が北条氏征伐のために旧東海道を拓くと、勾配のきついこの山道はその役割りを終えた。
その後は、江戸時代末期、駿府の代官羽倉簡堂は「蘿徑記」碑を建てて、古代より歌にも詠まれた歴史の道であったことを偲び、その景観は今に残されてきた。
「駿河なる宇つの山辺のうつつにも 夢にも人に逢はぬなりけり」在原業平