2004.7.11 By.ゆみ


2004.4.26-29 

幻の百済李氏朝鮮の史跡を巡る旅日記



夜明けのソウル(南山より)


第3〜4日目(4月28〜29日) さようならソウル

 駆け足で、百済と李氏朝鮮の史跡を廻り、ソウルの街は、渋滞した道をゆっくり走るバスの窓から眺めたのに過ぎませんでしたが、市内はどこもたいへんな発展の最中にあるようです。
 郊外には高層住宅が雨後の筍のように林立し、市街地も再開発のラッシュ。
 でもその最中にあっても、古代や李王朝の史跡や文化遺産は、大切に守られていました。
 
 特に、最近オリンピック公園の整備に伴って発掘・保存・修復された百済前期の夢村土城遺跡など、見所はまだまだあるようですが、今回は短いパックツアーの利用でしたので、今後またの楽しみにしたいと思います。
 
 


ビル街を背景に建つ崇礼門(南大門)
  
「韓国の縮小版」ともいわれる南大門市場、ここへ来れば何でもある!

 さて見学の最後は、国宝1号の崇礼門(スンエムン)。 都城の南側にあったので南大門と呼ばれています。
 朝鮮太祖7年(1398)に創建、世宗30年(1448)大きく改築されましたが、現存する木造建築物の中で最古の、堅固で威厳にあふれた建物です。

 ところで南大門といえば、ソウルでは、ショッピングスポットで名高い南大門市場のこと。
 昔から「南大門市場に行けば、戦車だって買える」なんて言葉があるそうで、ブランド品のコピー商品でも何でも手に入るところのようです。
 しばし、「ジュセヨ!(まけてよ!)」を連発しながら、お土産品を見て廻りました。

 今晩の宿は、南山公園のタワーホテル。思ったよりシンプルなホテルでしたが、景色が美しく、また国立劇場まで夜景を眺めながら散歩もできました。
 国立劇場の野外シアターでは、シェークスピア劇を上演しているようで、前衛的な音楽と効果音が聞こえてきます。
 かなたの北漢山にも夜の帳が下りる中、 ソウル最後の夜は更けていきました。

         
4/28 南山から 国立劇場の光の向こうに北漢山がそびえる夜のソウルの街
          
4/29 一夜明けて 
  

 翌29日は帰国の日、6時20分ホテル出発のあわただしい朝でした。
 ホテルの駐車場から、きれいな朝焼けの北漢山をカメラにおさめて、朝食会場に向かいます。

 韓国式のささやかな朝食を摂った食堂は、街中の小さな教会が階上にある雑居ビルの1階にありました。

 韓国は、4割がキリスト教徒で、明洞聖堂のような由緒あるカトリックの大教会から、こんな街中の一会派の小さな教会まで、街のあちこちに十字架のある尖塔がそびえています。
 鎖国時代に大迫害(1801年 辛西教難)があった歴史は日本に似ていますが、マテオ・リッチに学んだ韓国人の金大建(キムデゴン)によって天主教の布教が行われ、儒教と交じり合いながら異文化として排除されずに、今はしっかりと民衆の中に根をおろしています。
 

  

 空港に向かう途中、キムチとお土産の店に寄りました。
 そう、ロッテの免税店でも「あえますよね、きっと」のキャンペーンに一役かっていた「冬のソナタ」のペ・ヨンジュンさまは、ここでも人気者です。
 
 韓国は、去年(2003年)夏、ユニバシアードの最中に初めて訪ね、一年もしないうちに、またまた訪ねることになりました。

 かつては何度か行ってみたいと思いつつ、朝鮮半島を侵略した日本の歴史や、軍事政権と闘う民主化運動を、自分自身がどう受けとめたらよいのかと、なにか心に重いものがあって、気軽に遊びに行く気にならずにいました。
 
 そういう意味では、1998年の金大中大統領訪日や、アン・ジョンファンが活躍した2002年ワールドカップ・サッカーによって、韓国はいつのまにかとても親しみのある隣国になっていました。

 そして、2004年のソウルは、「冬ソナ」の韓国でした。
 美しい映像と音楽、すてきな俳優さんが、こんなにも夢中にしてくれる世界。 
 トレンディなファッションや心やすらぐ風景を求めて、ごく普通にあこがれる国。 
 そんな国になりつつある韓国の姿は、今とても新鮮です!

 まさに日韓文化交流に新しい時代が来たという実感を感じつつ、私の今回の旅は、ペ・ヨンジュンさまのDVDもおみやげに楽しく終りました。


日本列島もこの日は快晴! ソウル発10:20 KE-703便から