水辺に咲く一輪の蓮の花に 「せぜらぎ長者が、突然現われた美女を妻としたが、女は蛇を生んだので恥じて淵に身を投げた」というこの地の伝承を連想しました
2004.9.1 Photo.8.19.by.ゆみ
「御尊像埋伏の地」の記念碑
戦国の世、観音像をこの地に埋め、織田軍の焼き討ちから守った歴史の証しです。
まずは、高月町の渡岸寺の十一面観音。
平安時代の最もうつくしいといわれるこの像は、織田-浅井氏の姉川戦争や賤が岳の戦いにも耐えてやさしく微笑んでいました。
湖北は古代は大陸との文化の通い路であり、中世は修験の山とともに信仰に生きた里や、「惣」の自治で組織した湖の村が息づいていました。
北国と都を繋ぐ交通の要衝。
それゆえに戦国時代、覇を争う武将の夢によって、多くの血が流された所でもあったのです。
その戦火から守られて今に残る観音さまや、静かな中世のかくれ里をいつか訪ねてみたいと思っていました。
湖北の風景T・渡岸寺十一面観音の里