春を告げる奈良・東大寺のお水取りに先立つ3月2日、遠敷川の鵜の瀬でお水送りの儀式が行われる。
 東大寺のお水取りの儀式は、二月堂そばの閼伽井屋の井戸から霊水を汲み、仏に献ずる。この水は遠く若狭の遠敷川から大和まで送られていると言う。
 天平の昔、東大寺二月堂で行われた修二会に各地の神々が勧請されたが、若狭国の遠敷明神はこの修二会に遅刻してしまい、そのお詫びとして遠敷川の神水を献じるようになったのがお水送りの始まり、という伝承はおもしろい。
小浜の古寺V・奈良へ通ずる鵜の瀬の不思議
2004.9.8 Photo.8.20.by.ゆみ
奈良へ通じていると信じられている洞穴 神宮寺の井戸から汲んだ霊水はここから奈良へ送られる