東京低地の石信仰“立石様”のなぞに挑む

葛飾区立石遺跡調査の現地説明会ルポU
2006.7.30 By さわらびY(ゆみ)
「立石様」は立石稲荷神社のご神体。
石垣の中にあるのは、ちょっとだけ表に頭を見せる謎の石。
「その正体とは」ボランティアのスタッフが説明してくれます。

『江戸名所図会』の立石樣、今よりはしっかり頭を見せています。バックは中川、そして水田も見えます。
珍しそうに見ているのは旅姿の3人。
石のない東京低地では、石があること自体、とても珍しく不思議がられたのでしょう。

実は、応永5年(1398年)の『下総国葛西御厨注文』に「立石」という地名があることから、中世からこの石はあったようです。

この石は房州石、千葉県富津海岸が産地です。
柴又神社古墳の石室もこの房州石
谷口学芸員の研究では、古墳の石材を古代東海道の道標として転用したとのこと。
ここに古墳が眠っているのか、近くの南蔵院裏古墳や熊野神社古墳の石材なのか謎はつきません。