2008.7.5 By.ゆみ
第4回さわらび考古学教室 北総の古墳探訪 VOL.V
「印旛沼周辺の終末期古墳を知る」=大塚初重先生と行く平戸台8号墳&岩屋古墳見学会=
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☆岩屋古墳の石室と測量で分かった新しい姿を実踏
大塚先生の古墳考古学の真髄ともいうべき貴重な講演を堪能した後、午後3時から、いよいよ岩屋古墳の見学に向かいました。
車道から林の中の小道に入ると間もなく、岩屋古墳とその手前の小型円墳である104号墳も見えてきます。
このあたりは、以前はブッシュでよく見えなかったところですが、栄町が測量と景観保全のためきれいに灌木類を刈り取ってくださったので、3段築成の最大級方墳である岩屋古墳の雄姿を目前に見ることができるようになっていました。
岩屋古墳と手前の104号墳も見えてきます
「これが岩屋古墳です」 福嶋昌彦氏 撮影
岩屋古墳の石室が開口している南側斜面(ブルーシートは崩落している東石室)
岩屋古墳西石室内のご案内と解説を終えられた大塚先生
大きめの東石室は、昨年台風で石室の上の大木が倒れた際、石室が一部崩落、青シートがかかっていて現在立ち入りは禁止ですが、西石室の方は、風土記の丘資料館のご厚意で入口鉄扉を開錠していただき、中に入ってみることができました。
大塚先生も調査以来40年ぶりの入室だそうで、初めて実測された当時の正確な記憶をもとに、真っ暗な石室内部を懐中電灯で照らしながら、交替で見学する一人一人に丁寧に説明してくださいました。
特に、壁は凝灰質砂岩(貝化石)の石材を丁寧に加工して互目積みにし、アーチを形作っていること、また小ぶりの棺台の手前の石だけは緑泥片岩を立てかけて棺側部としていることなど、注目すべき点などがよくわかりました。
石室の見学の後、等高線が舌状にでっぱっているという地形を実踏してみることにしました。
大塚先生が先頭に、下草の残る坂道をずんずんと降りていきます。
左右は30mの絶壁ですが、確かにここだけがゆるい傾斜になっていて、下まで降りていかれることがよくわかりました。
大塚先生が先頭に等高線が舌状に出ている地形を実踏、確かになだらかな尾根を歩き下まで降りられることがわかりました
最後に岩屋古墳の周りを一周
岩屋古墳3段築成の雄姿です
岩屋古墳の四方を一周し、その大きさも体験して、貴重な体験に満ちた見学会は午後4時、一日ご一緒してくださった大塚先生に感謝してお別れし、終了となりました。
印旛沼を甚平渡しの橋で渡り、印旛村を抜けて八千代へと帰りました。道中、印旛村内のあじさい通り両脇に続く紫陽花の群列が、夕陽にひときわ鮮やかでした。