By.ゆみ 撮影2004.10.29 up2005.3.2


青森・中世&縄文考古の旅のアルバム T

浪岡城址〜「浪岡町中世の館」〜弘前城


岩木山を望む浪岡城址にて

 2004年10月29日青森空港に降り立つと、八甲田の山がぬけるような青い空に浮かんでいます。

 「よぐきてけだっきゃの〜」、バスに乗るとこんな挨拶入りの手作り行程マップが、そして行く手には、美しく裾を曳いた岩木山が私たちを歓迎してくれました。

 旅の講師は国立歴史民俗博物館の中世考古学・千田嘉博先生、テーマは「歴史を体験すること」。
 まずは津軽の秋のさわやかな空気を感じて、旅はスタートしました。

 最初は、空港から西へすぐの浪岡城址へ。
 南北朝時代の北畠親房・顕家の子孫により1460年代の築城と伝えられ、1578年大浦(津軽)為信に攻められ落城したとか。
 館(たて=曲輪)が並列に並ぶのどかな姿の城跡ですが、堀は真ん中に土手のある「二重堀」。
 その上を歩いて、武家屋敷の板塀を復元した北館へ向かいました。




浪岡城址の堀跡と土塁

武家屋敷柱を復元した北館


 東北は寒いと思って着込んできた上着は、小春日和の陽気に無用のお荷物。
 岩木山をバックにした雄大な城跡の景色を堪能して、「浪岡町中世の館」に向かいました。
 この資料館の展示では、北日本中世史の舞台となった浪岡城の出土品がメーンですが、小学生が卒業記念に復元した大きな縄文の深鉢もさりげなく展示されていて、さすが縄文土器本場の青森に来たなと感じました。


 遅い昼食の後は、北の近世を代表する名城、弘前城へ。
 弘前市教育員会の宮川慎一郎先生の「与太話」も混じる愉しい解説をお聞きしながら、晩秋の城址公園を歩き、藩主御霊屋のある長勝寺へと向かうころはもうすっかり陽が落ちていました。

 「弘前に永年生きていると、美しい姿の岩木山も、最勝院の五重塔も、四季折々の変化を見せる弘前城もみんな当たり前と思ってしまい、それが実はとても贅沢なこととは感じないのでは。そんな『あること』が当たり前な弘前の姿を何とか残していきたい。」という宮川先生の言葉、なるほど弘前はそんな「贅沢」な街でした。


弘前公園

弘前城の堀と土塁

天守閣(弘前城史料館)





天守閣の窓より

城址よりの津軽富士