03.12.6 By.ゆみ
屋台を曳く
神輿が第2休憩所に到着して、いよいよ屋台の登場です。
棒頭の手を借りて、屋台の向きを替え、少し移動したところで、囃し方も軽トラックから乗り換えます。
神輿は「中村」のニワを巡って別行動、金棒2名と長・短の高張提灯のうち、長いほうを持った2名が屋台の先導につきます。
子供たちが一生懸命曳きますが、すぐに休憩。進んではすぐに止まります。
ゆるくカーブした道、車輪は例の地車ですから、向きもテコ棒で屋台ごと動かし、角度の微調整を繰り返します。
そのたびに揺れて、乗り心地はよくないでしょうに、お囃子は絶え間なく「岡崎」を奏で、ばか面踊りも見せてくれます。
ようやく坂の入り口まで曳いてきました。
屋台の向きを替え、移動・・(10:06)
囃し方も梯子を使って乗り換えます
待っている時も絶え間なくお囃子が演じられます
屋台の前3mぐらいは危険なので子供は綱を持てません
さあ、出発! でもすぐに向きを微調整するために止まります
屋台も神輿も両方見られるここは私の指定席
坂道を降りる屋台
200mぐらい進んだ坂道の上で、子供たちは坂の下まで誘導されて待ちます。
ここからゴルフ練習場の塀に沿った急な坂道は危険なので、大人の手で運行するからです。
このあたりは、中世の館の遺構がみられる起伏のある地形で、道幅はあってもカーブした坂道は屋台にとっての難所。
人力によるブレーキが限界になる所では、屋台の後方に軽トラを係留しブレーキ代わりにします。とにかく安全第一です。
屋台の上の電線やケーブルも要注意!
お願いして一応、屋台の鳳凰が触れないような高さに設置してあるはずですが、前回からここ数年の間にケーブルテレビの配線がされていることがわかり、急遽ケーブルテレビの技術スタッフも待機していました。
ここはバスも通るので、 交通係も神経を使います
軽トラを連結してこのカーブした坂を下ります
ゴルフ練習場の向こうには、中世の城館遺跡が眠っています
屋台の後からワイヤーを出して軽トラと繋ぎます
息が合わなければ危険な作業、でも・・・
「力を合わせる」、そのことのために伝統的な地車を使うのだと思いました
難物は地面だけでなく、屋根の上にも・・
旧けみ川道の交差点で90度回転、最高の見せ場です(12:02)
今回も、次回も祭りとともに受け継がれる技術です
力をあわせるということ
つぶさに屋台曳きを見ていて思いました。
舵のない丸太の地車、動力もない屋台。なんて効率の悪い危険な作業なんだろう。
はじめはそう思った屋台曳きも、その息の合った困難な作業を見ているうちに、ともに手に汗を握り、不思議な一体感が感じられてくるのです。
高津の人々が、屋台の地車にこだわったわけがわかりました。
一人一人が力を合わせる、そのためにこの伝統的な屋台があるのです。やはり、祭りとは皆がひとつになること、そう思いました。
さて、坂を下ってムラのメーンストリート・旧けみ川道に出た屋台はまた子供たちによって観音堂まで曳かれます。
お父さんたちが苦労して屋台を下ろしたその姿を、子供たちはしっかり見ていたはずです。