2003.11.8(By.ゆみ)


2003年三山七年祭ドキュメント-第6章

七年祭を迎える人々 in 高津etc


あでやかな金棒・高張の衣装合わせ
 (in高津2003.11.1.PM)

 勢揃い式を前に、午後1時ごろから「金棒」と「高張」の衣装合わせが始まりました。

 「金棒」は、神輿の前にいて、その行く手を金棒で祓い清める神聖な役で、高津では、その少女役を青年がつとめます。
 4つの各ニワ(地区)から、1名ずつ4名。 
 旧家筋の長男から選ばれるが、次の大祭では若衆のリーダーである「立世話人」をすることになっているので、人望やリーダーシップ、知力、体力がないとつとまらないとのこと。そういう意味では、ムラの次期リーダーのデビューでもあるのです。
 
 高張は大きな高張提灯を持って、金棒とともに神輿を守ります。人数は金棒と同じ4名。
 次期立世話人の義務はないのですが、やはり名誉な役で、ムラのプリンスのお披露目といったところでしょうか。
 
 どちらも派手な衣装に花笠をかぶります。
 黒の股引に晒しを巻き、男の子と女の子の着物を重ね、半纏を着て片袖を引き、金棒はピンク・黄・紺・黄緑の帯を、高張は紅白の帯を結びます。
 昔は、母親たちが苦労して縫ったのですが、現代は和服専門店に仕立てを頼み、衣装合わせのこの日は、その店のプロが着付けを手伝っていました。

 「写真を撮っていいですか」とお聞きすると、着替えたばかりの時は、さすが恥ずかしがっていましたが、家族や若衆の仲間に祝福されて、しだいに堂々とした次期リーダーの貫禄を見せてくださいました。
 実はこの役、意外とたいへんなのです。
 祭り当日の夜明け前のニワ廻り、ヤドでのお酌や給仕、祭典委員の挨拶時の同行。
 忍耐力なしでは務まらない金棒さんの活躍は、祭り本番で知ることになりました。


左は4色の帯を結んだ金棒。衣装の次に花笠を被ります。
鳳凰の飾りが高くて安定させるには結び方がむずかしそう。

右は紅白の帯の高張。ぞうりの結び方もよく考えて。

鼻筋にドウランを塗って。

これで金棒のスタイルは完成。
その姿を誰よりもはやく携帯でうつして発信!

あでやかな女装の貴公子たち

左は高張、右は金棒の後姿
  
左:これが2003年金棒と高張のラインナップ          右:黄と紺の帯の3人は今回の立世話人、緑とピンクの帯は大世話人みな金棒の経験者です。
 

勢揃い式から祭りは始まった (in高津2003.11.1PM)

 高津ひめ神社の境内には、午後2時ごろからムラの人々や、祭典委員、舁夫の皆さんが集まってきました。
 鳥居の下では、船橋の湊町はやし保存会の方々によるお囃子が始まり、祭りのムードがたかまります。
 やがてきれいに飾り付けられた神輿が登場。
 ナラシの神輿係と若衆が手伝って、ダンナ衆の手でしっかりと横棒が取り付けられます。
 
 午後3時、全員が整列したところで勢揃い式が始まりました。
 代々世襲の宮世話人は、白の浄衣に烏帽子。 簡単にお払いをし、祭典委員長が挨拶。氏子、役員の協力で大祭を迎えられたことのお礼の言葉に続き、警察との協議事項を守ってくれるよう注意を述べました。

 お神酒で乾杯! 
 つづいて役員の紹介ののち、若衆へバトンタッチ。
 前回金棒の立世話人が全ての指揮を担当し、前々回の金棒は「大世話人」として、拍子木や神輿係を担当します。
 黄色の帯の若衆役員には屈強の棒頭が16名。
 緑の帯は先輩の「ナラシ」の方々、交通係や子供の世話係を担当します。
 立世話人から神輿の担ぎ方、拍手の仕方など丁寧な説明があり、 さあ、神輿揉みの練習が始まりました。

船橋の方々によるお囃子も始まりました。

いよいよ神輿の登場です。

神輿に横棒が取り付けられます

宮世話人がお祓い

祭典委員長(左)に続き、立世話人の力強い挨拶

さあ、神輿揉みのリハーサルの開始です。


神輿揉みの肩慣らし
 (in高津2003.11.1PM)

 いよいよ神輿が台から離れ、七年ぶりに若い舁夫の肩に担がれます。
 最年少は、中学2年生。兄の高校生も初参加。見守るおばあさまも真剣です。
 
 神輿揉みは立世話人が、拍子木さんに合図して、棒頭が復唱してスタートします。
 掛け声は「ホイヤッ、オッセ」。 揉み上げる時は、「ヨイ、ヨイ、ヨイ、ヨイヨーイ↑↑」と3回繰り返し、3回目で手を放し、放り上げます。
 拍手は「ヨウーッ、シャン、シャン、シャン、シャシャシャン、シャン」です。「三三七拍子ではないからね」と注意がありました。
 この日は新人も多く七年ぶりなので、まだ迫力に欠けますが、本番はすごいと教えてくれました。
 
 秋の日が傾く4時ごろ、リハーサルは終了。朝早い明日に控えて家路につきます。
 宮世話人と神輿係が、神輿の最後の点検をして、明日の門出に備えていました。

「ホイヤッ、オッセ」、立世話人の指導で神輿揉みの練習、ようやく要領がつかめてきました

手締めの拍手は「ヨウーッ、シャン、シャン、シャン、シャシャシャン、シャン」

中二と高二のお孫さんのデビューを見守るおばあさまの視線も熱い!

日が暮れて、大世話人の神輿係と宮世話人は最後の点検。

準備編はTHE END。

御幸する高津ひめと供奉の人々(2003三山七年祭大祭記録)