2002.9.8 By.ゆみ

8月20日(火)

雨に煙る王陵と西安の城楼

 連日猛暑の日本から4時間で中国中央部の西安へ。降りたった西安空港は、意外にも雨で涼しかった。
 あわてて、トランクから傘やレインコートをとりだす。
 空港では、北京の社会科学院で日本古代史を研究されている徐先生が迎えてくださり、久々の再会を喜んだ。

 高速道路で、一路西安へ。空港は、西安市北西、渭河の北側の咸陽原にあり、この段丘上には小山のような漢王朝の陵墓が点々と連なっている。
 そのひとつ、高速道路インターチェンジ近くの漢代の陽陵は、1990年から発掘調査が行われ、その成果が1999年オープンした考古陳列館に展示されている。
 まずはそこが今回の旅の最初の見学地となった。


漢陽陵考古陳列館の後ろ、景帝陵と復元中の門

皇后陵と従葬坑

 陽陵は前漢第四代景帝の陵墓で、その従葬坑からは、優雅な侍女俑やおびただしい数の兵士俑、ユーモラスな動物の陶製埴輪が出土した。
 兵士俑は、上肢と鎧などの装備が木や繊維など有機質で作られてあったので、そのほとんどが腕のない裸体で発掘された。

 

 市内に入った。雨でも、通勤の自転車がいっぱい。ハンドルと前かごもすっぽり覆うポンチョが便利そう。
 巨大な北門で右折し、堀と城壁沿いに西の門をめざす。
 門といっても城である。中国の古代からの都市は、近代に至るまで城壁と城楼によって囲まれた方形の都城であった。
 多民族との攻防と、巨大権力者の織り成す中国の歴史とその史跡は、私たちの想像の域を超えている。


明代に再建された西門の城楼

城門は二棟の城楼が中庭を取り囲んで建っている

周囲12kmにわたって城壁が街を取り囲む西安の環城

城楼内部より



西安の街路を望む


西の窓から
ここから西域へのシルクロードがスタートする


お土産屋さんのペットは白のペキニーズ




 街の中央ロータリーの鐘楼は、西安市の象徴。鼓楼とペアーで14世紀の明代の建築。
 16世紀に現在の街の中央に移されたという。

 中国は今、どこも都市開発工事のラッシュ。
 急に増えた車に、市内の道路はどこも渋滞している。

 雨は小止みになり、明日からは晴れそう。