2006.10.21up By.ゆみ(Y)

主催:「馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム」実行委員会 

32 第3回馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム−語りつぐ「見沼文化」-V

2006.10.15 PM -いにしえから現代へ 市民が語りつぐ-「見沼文化」-

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PM(1) 語りつぐ民話「見沼の竜」―見沼の竜はいずこへ―

午後は、語りつぐ「見沼文化」:馬場小室山遺跡と「見沼文化」とパブリック・アーケオロジーの時間です。
はじめに宮田正治氏に「見沼の竜はいずこへ」という講演と民話「見沼の竜」を語っていただきました。
大宮台地の馬場小室山遺跡は、かつて見沼という広大な湖沼のほとりにありました。
いにしえから伝えてきた見沼の歴史は、自然のめぐみと脅威に依存して生きてきた人々の生活の歴史でもあります。
さてどんなお話が聞けるでしょうか。

午後の司会は事務局の飯塚さん

宮田正治氏 (見沼文化の会)

どんなお話が始まるのかしら
            

「見沼には竜伝説が15〜16もあります。見沼は大沼で、竜が住むのにふさわしい沼で、またあばれ沼でした。
弥生から水田耕作が始まると、水に関心がいくようになり、江戸時代の初期、八丁堤が築かれて、水の管理が本格化し五千町歩の干拓が進むと、ますます竜神さまが畏れられるようになりました。
想像上の動物である竜への信仰の始まりは、中国では5〜6千年前。西洋で竜は成敗されるドラゴンですが、東洋では天子の乗り物でした。
揚子江のワニをかたどったともいわれてきましたが、6千年前まだ森林だった内モンゴルのオオトカゲから生まれたという説も最近いわれようになり、6〜7千年前の遺跡からその原型となる彫像がみつかったという報告もあります。・・・
日本では朝鮮を経て伝えられ、土着の蛇信仰と結びつき、また仏教では天龍八部衆の一つで仏法守護の神として民間にも浸透していきました。
竜の爪の数は、中国皇帝の竜は5本、地方の王、たとえば朝鮮や沖縄では4本、日本では3本と序列があります。・・・」
紙芝居に先立っての講演は、東洋の民俗信仰から、地元の民話まで宮田さんの深い造詣を語るものでした。

         
江戸時代の苦難の干拓成功により、見沼に住めなくなり住処を人間に譲って印旛沼に去っていった竜の民話が、クライマックスでは飯塚さんの効果音も加わって、紙芝居によって感動的に語られました。
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PM(2) 遺跡を現代から未来へ語りつぐ市民の試み

馬場小室山遺跡の活用をめざしたいろいろな企画を、-語りつぐ「見沼文化」-いうテーマのもとにパブリック・アーケオロジーとして紹介するコーナー 「語りつがれてきた見沼」という自然環境の中で、馬場小室山遺跡の形成やその時代を広く考えていく試みです。
 

おなじみ 飯塚さんの馬場小室山遺跡をテーマとした音楽のコーナー



オムちゃんのテーマ曲もあるよ
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ムロさま、オムちゃんのマスコットキャラクターを創作してくださった井山真理さん
「ムロさまは人面付土器の顔のモチーフは、仮面にして、縄文漆の赤と黒の色彩で表現しました。
オムちゃんは、突起土偶。お魚とりをした縄文の生活をプラスしました
。」

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ジオラマの制作者井山さんにその制作の過程をお話しいただきました

「小室山の土を使って地山を作りました」

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映像で語りつぐ馬場小室山遺跡と「見沼文化」 
フォーラム実行委員会で自主制作したビデオの上映と、ビデオの紹介をする鈴木正博氏
 「馬場小室山遺跡の保存と活用から学ぶ、新しい潮流としてのパブリック・アーケオロジーがさいたま市に生まれたことを、市民フォーラムに来られなかった方々にも分かりやすく伝えたいとの願いから、ビデオの自主制作にいたりました。
 幸い、プロの浅野光彦さん(プロデューサ)が趣旨にご賛同くださり、浅野さんのスタッフが構成され、ボランティアで制作に当たっていただきました。


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最後のしめは、五十嵐 聡江さん、パワーポイントと「みぬまっぷ VOL.3」を使って
「見沼はどうしてできたか、なぜ竜が棲めるのか、みんなで考えよう!」

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資料集裏表紙のオムちゃんと秋の小室山
今日は楽しかったね。

今度は小室山でお会いしましょう。

みんなの力で、史跡が市民のものになったその時
またボクとも会えるかな。

じゃあ ね