2008.3.21
By さわらびY(ゆみ)

40 台方花輪貝塚-風雨の中でも有意義にワークショップ


春の風雨の中で・・・



 3月20日の「馬場小室山遺跡研究会」第35回ワークショップは、成田市台方花輪貝塚の発掘調査(明治大学学術フロンティア事業第3次調査)の見学の予定でしたが、あいにくの春の風雨にたたられ、発掘調査とその見学は残念ながら中止。
 
 それでも、調査団が泊まっている宗吾霊堂前の旅館に赴き、4名のメンバーが鈴木正博氏から出土した土器を手にとっての説明やレジュメの解説、また雨天のため直接現場を見られなかったので、明治大学の院生のご厚意で、パワーポイントでの遺跡の様子などを説明していただきました。

 特に縄文晩期の一番最後を飾るこれまで見たことのない不思議な幾何学刺突文土器など、興味深く拝見しました。
 今後の調査成果の発表が楽しみです



宗吾霊堂本堂から、雨に煙る山門。雨水桝もいっぱい

 宗吾霊堂前の名物の甚平そばを食べてから、宗吾霊堂をお参りし、車で発掘調査の現地を見学しました。

 明治大学の調査団は現在、台方花輪の台地上の谷家の畑C・D地点と、台方バス停前の土器と貝がたくさん見られるE地点を発掘調査中です。

 あいにくの雨で詳しくは見られませんでしたが、場所の確認とその環境は把握できました。


航空地図で見る調査地点マップ 

なお、台方花輪貝塚については下記のHPもご覧ください。
縄文遺跡のある風景:成田市台方花輪貝塚




谷家の畑C・D地点

台方バス停前のE地点

 午後2時半過ぎても雨は止む様子はなく、せっかく研究会メンバーが5名もそろったので、近く(といってもあくまで車で移動としては)の房総のむら「風土記の丘資料館」の常設展示を見学することにしました。
 意外にもここは、縄文〜弥生の貴重な土器などの資料がそろっています。

 縄文前期の羽鳥南中岫第1遺跡の人頭形土製品や、縄文晩期でも最終末の千網式の土器、印旛沼周辺の弥生中〜後期土器など、他に見学者もいない展示室で、がやがやと議論しながら楽しく見ました。
 特に今回のレジュメに登場する縄文早期から晩期最終末まで土器型式の典型資料が揃っていて、レジュメの理解を深めることができました。

 雨にも負けず、興味深い資料や遺跡の魅力を堪能した一日でした。


印旛沼周辺の弥生中〜後期土器を見る

縄文晩期終末の千網式の土器(池花南遺跡)
クリックすれば大きな画像アップします