2010.10.18up By.ゆみ(Y)

2010.10.11  主催:NPO野外調査研究所/馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム

51  第7回馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム
−「見沼と秩父の基層文化フォーラム」−

 2010年秋、10月11日の体育の日、さいたま市 「プラザイースト」を会場に、2年ぶりの市民フォーラムを企画、開催しました。

 今回は、「秩父まるごと博物館」を支援しているNPO野外調査研究所が主催「馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム」が共催のコラボレーション。
 見沼と秩父という風土の違いを超えて、どのような出会いとなるか、まずは始まり始まり!です。


     
実行委員長の大田尭先生もご到着。         馬場小室山遺跡に集う活動の記録写真の展示作業中。


  

受付も、演壇のマイクテストもOK。  井山さんのジオラマもセットして、会場設営も順調にスタートしました。

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開会の司会は、齋藤弘道さん


開会のごあいさつは
馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム実行委員長 大田堯
先生(東京大学名誉教授、元都留文科大学学長)





 「ここには、私もお金がもらえるからではなくて、「好奇心」つまり人間の生き方を問うということで、皆さんと共にこのフォーラムに、集まっています。

 私はこのフォーラムに参加することで、見沼を第二の故郷として関心を持つようになりました。
 今、埼玉大学の見沼講座では、この馬場小室山遺跡を包み込んだ見沼全体をミュージアムとする視点の中に、このフォーラムを位置づけています。

 先日、さいたま市の主催の見沼基本計画策定協議会で、鈴木先生が話された太古の遺跡についての報告を、みなさん、新鮮な関心をもってお聴きになっておられました。

 太古の遺跡は人間の生き方に発展していきます
 大宮周辺の廃棄物の山、昭和の経済成長の遺跡にも、大いなる好奇心を持って考え参加していただきたい思います。」


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そして鈴木正博さんから「見沼と秩父の基層文化フォーラム」の趣旨説明がされました。



趣旨説明講演録動画馬場小室山遺跡・緊急特設ページ

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 【基調講演】 「ジオパーク(地質遺産)としての見沼田圃と秩父
          堀口 萬吉さん 
(埼玉大学名誉教授・NPO野外調査研究所所長)
   

埼玉=秩父と大宮台地、見沼の地形と土地利用の歴史的な変遷についてのお話を伺いました。
                        右のスライドは、寿能泥炭層遺跡の垂直断面に現れた黒浜砂層の生痕(海進の跡)


【基調報告1】 「「見沼文化」を形成した遺跡群と見沼田圃の人類史
          齋藤 瑞穂さん
 (新潟大学・馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム)
      
   ↑画像をクリック

膨大な調査報告書のデータを解析し、地図上に表現した遺跡の分布から、環境の変化に対応した縄文時代という人類の長い歴史ドラマが、具体的に明らかにされていきます。


【基調報告2】 「秩父の洞穴遺跡と山の文化
         吉川 國男さん
 (NPO野外調査研究所理事長)
  
秩父の地形的特色と洞窟遺跡、そしてそこに営まれた縄文・弥生文化の跡。                    ↑画像をクリック
日本地質学発祥の地でもある秩父の重層的な自然・歴史・文化・伝統という学術的資源を生かす「秩父まるごと博物館」構想が紹介されました。

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只今、お昼休み中です  

  
午後のパネルディスカッションの打合せ、台本作りの最中です


馬場小室山遺跡の復元ジオラマや資料に見入っています。

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【生演奏】 「ジャズ・ピアノによる馬場小室山遺跡への誘い:気分はいつでも小室山!」
        飯塚 邦明さん 
(東大能研塾長・馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム)
     

飯塚さん新曲、組曲「見沼フィールド・ミュージアム」第一楽章と第三楽章、つづけて
浅野光彦さん (映像ディレクター)制作の・「見沼をのぞんだ縄文むら―馬場小室山遺跡に学ぶ―」が披露されました。


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【パネル・ディスカッション】
「見沼と秩父の基層文化を探る!
―「見沼フィールド・ミュージアム構想」と「秩父まるごと博物館」の縄文的出会い―」
  
    

     
                                                                                            
見沼と秩父における基層文化と、環境適応に優れた縄文時代。
地域文化の多様性についてふりかえる中で、現在から未来へと新しい文化は創造されるのでしょうか。
「秩父まるごと博物館」と「見沼フィールド・ミュージアム構想」は、風土の違いを超え、人類史的展望として共鳴し得るでしょうか?
パブリック・アーケオロジーの果たすべき役割を通じ、新しい市民の挑戦と交流が、ここから始まります。

また、土器つくりに見る縄文人のパワーと技術については、美術家と考古学研究者のディスカッションも話が弾みました。

                                                   右は、粘土層が現れた沖積層の一例
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まとめは、五十嵐聡江さんによる 「見沼フィールド・ミュージアム構想」に向けて
    
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「現場に行ってみよう」、歩きながら縄文時代を感じてほしいと、みぬまっぷの新作「海道をゆく」の提案。
「秩父まるごと博物館」の「サテライト」(「コア」を取り囲む多数の衛星的な地域の拠点)に対して、見沼は「フィールド」がキーワードです。

どちらも学術資源は無尽蔵。それを活かすのは、地域に生活する人と人の結びつきと力、そして探求心。
また新しい市民文化が生まれ、未来へと発信されていきます。

 配布資料⇒ 鈴木正博 「馬場小室山遺跡と見沼田圃3万年の人類史」(Google Docs) < 馬場小室山遺跡・緊急特設ページ