2012.4.14〜15  UP 4.25
By さわらびY(ゆみ

56 「馬場小室山遺跡フォーラム」第53回ワークショップ
のうらわ ミュージアムでアート鑑賞 & 氷川神社遺跡探訪

 2012年4月14日(土)の「馬場小室山遺跡フォーラム」第53回ワークショップは、春の浦和で期せずして、博物館で先史時代の、美術館で現代最前線のアートを鑑賞することになりました。

 午前中、埼玉県立近代美術館 一般展示室での 井山紘文展2012「Field note−MINUMA−I」の芸術を鑑賞。
 午後から、さいたま市立博物館で 企画展「縄文土器百選−inさいたま−」で縄文時代の芸術性あふれる土器を鑑賞することに。
 そしてそのあと、大宮の氷川神社境内の本殿の右脇で始まる工事に伴う発掘調査地の探索も行うこととなりました。

(なお、14日午前中の井山紘文展の鑑賞については、筆者の都合により15日(日)午後に行いましたので、このレポートはワークショップのプログラムと、前後が異なりましたことをお許しください。)
2012年4月14日(土)  さいたま市立博物館第23回企画展 「縄文土器百選−inさいたま−」鑑賞

大宮の氷川神社参の途中になるさいたま市立博物館1F
企画展「縄文土器百選」は完形の逸品約100点が勢ぞろい

まずは 縄文早期の土器−稲荷原式の土器片
口縁部下に無文帯があるのが特徴とか

縄文前期の緻密な竹管文から、中期の大胆な造形へ

縄文晩期の注口土器 真中は馬場小室遺跡出土

馬場小室山遺跡出土の土器の特別コーナー、さいたま市を代表する逸品ばかり!

   
     片口鉢形土器(前期 井沼方遺跡)      両耳壺(後期 下加遺跡)     深鉢形土器(晩期 馬場小室山遺跡)              
                                                             右:台付鉢形土器(晩期 奈良瀬戸遺跡)

大宮氷川神社遺跡の調査地を探訪 
 大宮氷川神社は見沼の水源に位置し、もとは見沼水神を祀ったことに始まるとか。
 その社殿の周囲の社叢は、環状盛土遺構を伴う縄文中期〜晩期の大宮氷川遺跡です。
 社殿右手の盛土の森の一部が切り開かれ、社殿整備工事に伴う発掘調査が始まりました。
  
博物館前の参道を歩き、氷川神社へ 

本殿前の舞殿 右手の塀の中が調査地です
  
社殿の右側天津神社からフェンス越しに発掘調査地が見えました。
この摂社の手前の築山には、縄文の土器片が散らばっていました。


井山紘文展2012「Field note−MINUMA−I」を鑑賞に 
 「見沼フィールド・ミュージアム構想」を芸術面から支える井山紘文氏が、埼玉県立近代美術館で個展を開催されました。
 (ワークショップでは4月14日、私は都合で15日に見にいきました。)

埼玉県立近代美術館のある北浦和公園のオブジェと桜

美術館の井山紘文展2012「Field note−MINUMA-1」の会場

井山紘文さんと作品

「Field note−MINUMA 2011」

「縄文考」06-MM-10                              「芝川断層」シリーズ
 井山さんの作品は、ミクストメディアと呼ばれる技法の抽象絵画で、馬場小室山遺跡や見沼の土壌なども素材とし、質感豊かに、大胆で落ち着きのある表現を試みておられました。
 これらの作品の底流となっているのは、きっと馬場小室山遺跡との出会いと、見沼文化へのあつい思いなのでしょう。
 絵画芸術の最前線に立って、果敢に創作活動を続けられておられる井山画伯の作品に感動した一日でした。