2013.9.14
By さわらびY(ゆみ)
62 海と山と人々が語る自然と文化、そして震災復興への新たな一歩
第2回「山田湾まるごとスクール」旅の記録-1(第1日目)
T 2013年8月30日〜9月1日 再び山田町へ
いわて三陸のど真ん中にある山田町
そこは海と山の自然と、
山田祭りなどの歴史と伝統に彩られた
魅力がいっぱい!
山田町の自然や文化の宝を、
訪れる人と迎える人でともにみつけませんか
「ワンダートラベラーが贈る大人の社会科見学第2弾」として今年の夏も「山田湾まるごとスクール」が、開校しました。
主催は、NPO野外調査研究所、馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラムと新潟大学災害・復興科学研究所。
各団体の呼びかけに18名が参加されました。
今回の参加者 (9/1 宮古市崎山貝塚にて)スケジュール
8月30日
12:00 東北新幹線新花巻駅集合=遠野市「とおの物語の館」見学、昔話を聞く=大槌町(蓬莱島・吉里吉里海岸)=ホテル山田ビジネスイン=山田町中央公民館にて写真鑑賞会(「山田史談会」の内山氏)=懇親会
8月31日
AM: ホテルから徒歩で海岸の自然観察=船越半島の荒神社参拝=山田町教育委員会の埋蔵文化財整理室(畠中遺跡の出土資料見学)=道の駅やまだで昼食
PM: 船越半島の畠中遺跡発掘調査現場の見学=大浦仮設住宅談話室で「山田史談会」の川端弘行さん&被災された大浦の方々のお話を聞く=復旧中の「鯨と海の科学館」見学=五篤丸水産(お土産購入)=山田史談会の方々と懇親会
9月1日
宮古市の崎山貝塚見学=浄土ヶ浜遊覧=道の駅「区界高原」=15:00 盛岡駅で解散
U 遠野で昔話を聞き、三陸へ
前回、遠野では、道の駅休憩するだけでしたが、今回は、遠野物語と山田町の地理・文化・民俗の関係を知ろうと、「とおの物語の館」を見学。昔話の実演を楽しんだり、柳田國男の事績などを学びました。
「山田湾まるごとスクール」の資料集の「遠野物語と山田町」にも載せた「遠野物語九九話」について、昔話の語り部の方に、3・11後の扱いをお尋ねしたところ、まだ被災者の心が癒されていない現段階では実演は難しく、津波の話題は相手方の御心境を察することが肝要と助言いただきました。
⇒参照:柳田國男「遠野物語」(青空文庫)
なお、予定では遠野物語にも登場する笛吹峠や旧道の遠野街道と大槌街道を経由する予定でしたが、8月9日の豪雨によりバスの通行が困難とのことで、新道経由となりました。
柳田國男が宿泊した高善旅館と柳田國男像
昔話の世界「昔話蔵」と昔話や郷土芸能を楽しめる「遠野座」
柳田國男が晩年を過ごした母屋を移築した「柳田國男展示室」
V 大槌町の海岸に出ました
遠野から釜石を経て、大槌湾へ
大槌湾に浮かぶ蓬莱島=ひょっこりひょうたん島
灯台が復興と鎮魂のシンボルとして再建されました。
復旧工事中の大槌漁港、左上:高台移転の造成地
右は、被災し活動再開した東大海洋研究所
船越湾の砂浜が浸食された吉里吉里海岸海水浴場
被災したまま残された45線陸橋に、灌木が生い茂る
W 山田町で写真鑑賞会
先々月の6月22日に、「山田湾まるごとスクール」と「山田史談会」と合同の交流研究会を山田町で開きましたが、その懇親会で内田一幸さんと知り合いになり、今回は内田さんの貴重な写真を拝見する機会を、山田町中央公民館を会場に持つことができました。
山田町で薬局を経営されていた内田さんは3.11で被災。 被災前の山田町の美しい自然を写した写真作品中心に、、私たちにご披露くださいました。
内田さんが山田町に移住されたのは十数年前。地元では(それでも)「旅の人」とよばれていたそうですが、山や海や釣りを愛した「旅の人」の視点で、写真を撮りためてこられました。
ずっとこの地に暮らした地元の方とは異なる視点の写真アルバムには、被災後もう見られない風景もあり、貴重な作品の数々でした。
山田町史談会の内田さん(中央)の写真を鑑賞
プロジェクターーで映し出された内田さんの作品
「冬の山田湾大島」
人を寄せ付けない船越半島外海の赤平金剛の絶壁
海食洞も連なる絶景で、被災前に釣り船をチャーターして撮影
山田町の震災前の観光マップ(道の駅やまだ)