2013.12.27
By さわらびY(ゆみ

64 馬場小室山遺跡に集って10年、共に新しいスタート地点へ

第59回ワークショップ&『実践!パブリックアーケオロジー』刊行記念祝賀会

T ワークショップ、テーマは特集<パブリック・アーケオロジー>

 2013年12月21日(土)午後1時半から、三室公民館で 「馬場小室山遺跡フォーラム」第59回ワークショップが開催されました。

 振り返ると、馬場小室山遺跡研究会の第1回ワークショップは、2004年12月26日。不十分な調査が終了、遺跡に重機が入って間もないころでした。
 2013年年末、この12月で10年という節目となるにあたり、今回の59回ワークショップ*は、馬場小室山遺跡のパブリック・アーケオロジー10年を振り返りながら、初めて参加の方も交えて、改めて馬場小室山遺跡と向き合う機会となりました。
(*実際には、2004年11月23日のプレがあるので、60回目のワークショップになります。)
 

第1部 馬場小室山遺跡に学ぶパブリック・アーケオロジー10年の成果

(1) 「パブリック・アーケオロジー展望」
 ・・・・五十嵐聡江さん

「次世代のパブリック・アーケオロジーは、考古学は主役から大人の脇役へ。
 主役は?そう、あなた『市民』です。
 考古学が市民生活に溶け込む努力を種々の場面で一緒に模索し実践します。」

(2) 「『湾潟湖交流文化』と定住制社会の出現 
  -馬場小室山遺跡と縄文時代後晩期安行式社会の特質-」・・・・・鈴木正博さん

「・・・『母村集落維持現象』は定住制に相応しく集約化が図られると共に、
馬場小室山遺跡第51号土壙に観る「土器型式」の累積現象のように、
定住制と表裏の関係である多世代にわたる祖霊崇拝の継承性が認められる。
生業の協働性とそれを支えるイデオロギーが顕現化した後晩期安行式社会の出現である。」
第2部 3・11東日本大震災の復興と次世代パブリック・アーケオロジー
 「「山田湾まるごとスクール」は何を学んだか?」
・・・・ 齋藤 瑞穂さん  

 「文化財レスキューのネクスト・ステージを模索する
 -岩手県山田町で地元の郷土史研究会との交流研究集会を開催して-」
  『新潟史学』第70号(2013.10)。
 
 「考古学は無力か、できることはないか。・・・」

  
U 写真で振り返る馬場小室山遺跡に集う仲間たち

(1)「馬場小室山遺跡と市民交流」のスライド上映

 初めての方や最近参加された方もお出ででしたので、蕨由美が撮影、2010年1月の明大博物館友の会発表用に制作した「馬場小室山遺跡と市民交流」のスライドを、蕨俊夫の解説で上映しました。
  
(2)故 橋本敏郎さんを忍んで

また、この活動の最中、2008年9月に59才で肺がんで亡くなった仲間の橋本敏郎さんを忍び、活動中の橋本さんの思い出の写真をスライドでご紹介しました。

2005.3.27 馬場小室山クリーンアップ大作戦
    
2005.6.12 土器片に注記中         2007.1.8遺跡内の小室神社に初詣           2008.1.12大森貝塚見学


V 『実践!パブリックアーケオロジー』刊行記念祝賀会

 夜は、『実践!パブリックアーケオロジー』刊行記念祝賀会(&遅ればせながら鈴木正博さんの還暦祝賀会)が、浦和の割烹「加賀匠」で和やかに楽しく開かれました。
 出来上がった本は、研究者の還暦記念論文集という性格にプラスして、馬場小室山遺跡に集う仲間の記録と思いの詰まったユニークな内容、装丁はアートを学ぶ井山真理さんの作品です。
六一書房でも頒布していますので、ぜひお手に取ってご覧ください⇒詳細