2014.5.28
Photo By.井山紘文さん  文 By.鈴木正博さん

66 「見沼文化」2014感謝祭
-市史跡・馬場小室山遺跡クリーンアップ大作戦-


1. 午前10時に三室中学校バス停前にて集合。
 飯塚邦明事務局長の挨拶。


 
2. 三室中学校の南側塀に沿って歩くとほどなく林が見え、沿道沿いにさいたま市史跡・馬場小室山遺跡の案内板が。
 鈴木正博さんが遺跡の特徴を解説。

3. 安全第一の注意を受けて、早速、立ち入り禁止である遺跡の保存地区へ移動。
 馬場小室山遺跡の特徴である径50m前後の窪地の上から、 参加した子供たちやお母さんたちにむらの様子を解説。


4. 2005年以降、毎年クリーンアップ大作戦を続けてきたおかげで年々ゴミは減り続けていますが、それでも沿道沿いにはビン・カン・ビニール袋等の生活ゴミが目立ちます。
 足元に注意しながら、遺跡の中でゴミ拾いを行います。

5. 各自拾ったゴミを入れた袋を持ちより、分別します。










6.ゴミ拾いの次は、これまでに旧浦和市が調査した馬場小室山遺跡の各地点を見学します。
  人面が描かれた有名な土器が出た第51号土壙のお宅や、区画整理や宅地造成で調査した縄文時代中期から後期、そして晩期の住居址の地点を歩きます。



7. 14代続く武笠家の小室社は荘厳な雰囲気を漂わせ、いつでも人気です。
 2004年までは密集した雑木林となり、馬場小室山遺跡に入るにはこの小室社が唯一の入り口となっていました。


8. 武笠家の本家と分家の間に通り道があり、そのあか道を通りながら、武笠家の庭にのこされた土塚を見学します。
 馬場小室山遺跡は大きな窪地の周りに土手上の高まりである土塚が5基めぐっていることが分かっています。
 それぞれの塚がむらの施設の痕跡で、大量の土器や耳飾・土偶など土製品・石器が出土します。




9. あか道を抜けると窪地が見える市史跡に戻ります。
ブルーシートを準備してこれからは「青空考古学教室」の始まりです。
 まず、縄文時代後期の中頃、「加曾利B2式」の釣り手土器(レプリカ)が取り出されました。
 齋藤弘道さんからは縄文土器の形につての解説です。
 みなさん、興味津々で齋藤さんの周りに集まってきました。
 加曾利貝塚で土器づくりをしているワイワイグッチさん(ハンドル・ネーム)も参加されています。


10. また、ゴミ拾いで見つけた土器もブルーシートに集められました。
 小さい破片でも年代が分かりますので、拾った小さい土器も丁寧に齋藤さんが解説します。
 小さい破片ばかりですと分かりづらいので、参考資料として大きな破片も事務局が準備しています。




11. 小さい破片と言えば、馬場小室山遺跡では薄手の無文土器の小片が見つかっています。
 それは「製塩土器」と呼ばれる縄文時代晩期の土器片ですが、晩期になると海は上野周辺に後退しますので、塩づくり専用の土器が見つかることの意義について考えることも楽しい不思議です。
 「製塩土器」を研究している常松成人さんからお話を伺いました。
12. 「青空考古学教室」が終わるときれいな虹が見え、しばらく虹の観賞です。
 今年も馬場小室山遺跡には地元の方々が参加下さいました。
 また、来年の5/4にお会いしましょう。









追伸:

今回のイベントは、義母の葬儀と重なり、初めてお休みしましたが、
井山さんが写真を、解説文を鈴木正博さんが書いて送ってくださいました。

(おかげさまで、HPのこのシリーズのルポも、欠番しないで済みました。

ご協力ありがとうございました。
              By..さわらびY(ゆみ)