2014.8.9
By さわらびY(ゆみ

68 ギャラリー風雅にて 第63回ワークショップ
-「・・遥かな縄文土器・・井出政男個展」を鑑賞-

 8月9日(土)は午後から、「馬場小室山遺跡フォーラム」第63回ワークショップ。
 場所は、
さいたま市西区の大宮花の丘農林公苑近くのクラフト&ギャラリー「風画」です。心配した猛暑や台風の影響もなく、涼しい風が心地のよい日和で、7名が参加しました。
 まずは、「風画」のラウンジで、コーヒーをいただきながら、秋に予定しているふたつのシンポジウムの打ち合わせなどを行い、そのあと、展示室で縄文土器作家の
井出政男さんの個展「・・遥かな縄文土器・・」を、解説いただきながら見学しました。
 


井出さんからの案内はがき

 

まずは、公園の木々が見えるラウンジで、秋のシンポジウムの打ち合わせと情報交換。



 今回の展示は、埼玉県内の山地・丘陵・台地・低地から採集した粘土を使って縄文土器を焼成。焼き締りや焼成中の割れ、入れた水の漏水時間など比較し、また煮沸実験を行い耐久性をテストして、縄文人がどのようにして粘土を選び、配合し、土器を作ったかを考察する内容でした。
 産地別の粘土を使用して土器を制作。それぞれ、たたくと焼き上がった器の締まり具合や粗密差で音が異なり、また水を入れてどのくらい漏れてしまうのかその時間差を比較し、耐久性のある土器を作るには、埼玉県西北部の台地の粘土の混合が相応しいとのこと。
 残念ながら大宮台地の粘土は粘性が弱く、土器つくりには、向かないそうです。

 いろいろな粘土で作成し、サトイモを煮る実験で使用した土器。中には、輪積み接合部から、真横に割れてしまった土器も。
 一度沸騰して煮炊きした土器は、それ以後は水漏れなく、繰り返し使用できたそうです。
 以上の結果、埼玉県内で縄文土器を焼くのに適合する土は、嵐山鎌形と東松山高坂の粘土の混合がよいとのことです。


 展示室には、焼成と煮沸実験に使用した土器作品のほか、曽利式の水煙土器の見事な作品も展示されて、見ているだけで感動!しました。


 この秋には、11月3日(祝)」に縄文人は何を考え、どう生きたか?−土偶、その表現と祈り―」、
 11月24日(祝)には、「ようこそ、山田湾まるごとスクールへ」のテーマでシンポジュームを開催します。
 またそこで、皆様とお会いしましょう。