2014.12.16up By.ゆみ(Y)
2014.11.24 主催:NPO野外調査研究所/馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム/新潟大学災害・復興科学研究所
71 <3・11陸中・山田湾文化復興祈念>秩父と見沼合同シンポジウム第2部
『ようこそ「山田湾まるごとスクール」へ』を開催しました
11月24日は、11月3日の秩父と見沼合同シンポジウム「−土偶、その表現と祈り―」に引き続き、再び、さいたま市プラザ・イーストに集い、第2部『ようこそ「山田湾まるごとスクール」へ』のシンポジウムを開催しました。 主催は、NPO法人野外調査研究所・馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム・新潟大学災害・復興科学研究所の三団体。2011年3月11日の東日本大震災後の文化財レスキューをきっかけに、2012年から共同で岩手県下閉伊郡山田町への考古学ツァー「山田湾まるごとスクール」を企画・実践し、山田町の方々との交流と親睦を深めながら多くのことを学び、発見してきました。 今回のシンポジウムは、3年間の活動を振り返り、さらなる発展のため、山田町の魅力について自然と考古文化を中心に紹介、各地から三陸のど真ん中にある山田町を訪ねる機会となり、山田町の皆さんとのご縁を強くすることを願って、さいたまの地で催しました。 |
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今回のシンポジウムの資料、「しおり」はカラーページも。 |
山田町復興カンパのお礼に、山田の醤油を用意しました |
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* * * * * * * * * * * * * * * * 午前10時、齋藤瑞穂さんの総合司会でシンポジウムが始まりました。 |
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挨拶は、吉川國男さん 講演 「私の故郷、山田湾周辺の自然環境」小岩清水さん |
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今回のシンポジウムのメイン講演の講師は、岩手県山田町出身の自然地理学の研究者で、元専修大学付属高校副校長の小岩清水先生。 遥か太古の自然変動で造られた山田湾の独特な地形、大地震と津波の歴史、そしてその環境に生きてきた縄文時代から現代にいたる人の営みについて、ご自身が描かれたスケッチ画と文章を資料に、熱く語っていただきました。 |
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『船越半島の太古天然の凄まじいまでの海崖や、山田湾の穏やかな円鏡の稀有な存在と私の表現する縄文の美姫の翡翠大珠のごとき大島・小島の緑と花崗岩の風化砂の銀の鎖とは、厳しさの中でこの嵐の様な人間の生き方よりも、この自然が許す法を越えず、美しく厳しい環境を人間の「貴い文化」として、慎ましく生きる道をと考えて、遠祖以来、自分の命の証とした人々の誇りが、今に素晴らしく山田人の宝となって輝いているのだと思います。』 (上記の図と文章は、小岩清水「私の故郷、山田湾周辺の自然環境」<『山田湾まるごとスクールのしおり』から引用) |
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五十嵐聡江さんの基調報告 『ようこそ「山田湾まるごとスクール」へ』 2011年3.11大震災の津波で、死者・行方不明者820人、全半壊家屋3369軒(全体の46.7%)の被害を受けた山田町。 「自分たちに何かできることはないだろうか」と、被災した鯨と海の科学館の標本資料のレスキューをきっかけに、長期的なコミュニティー再生をめざす復興支援に取り組んできた今回の主催三団体による『山田湾まるごとスクール』の3年間の活動について紹介しました。 そして、さらに、高台移転に伴う遺跡発掘で明らかになる、人類が災害に向き合った歴史を共に学ぶことで、「減災」をめざすパブリック・アーケオロジーの推進が提起されました。 |
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午後からは齋藤友里恵さんの活動報告1 「山田湾文化の遺跡を歩く」 コメントは斉藤弘道さん |
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報告では、山田町には、縄文時代254例、弥生時代14例、古代20例、中世43例(城館)、近世3例(一里塚)など全部で500以上の遺跡が登録されていていること、その中から、縄文の川半貝塚・縄文後晩期と古代の遺跡である畠中遺跡、8世紀末の房の沢古墳群、中世の織笠館、大浦極楽の永楽通宝など、最新の研究成果が紹介され、山田町復興の中で、豊かな歴史遺産を知ることの大切さを気づかせてくれました。 | |||
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井山紘文さんの活動報告2 は、「山田湾との出会いを描く」 画家の立場から歴史と文化を語り継ぐ活動と、山田湾の土や砂を使った作品を紹介されました。 |
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午後2時過ぎからは、 <3・11陸中・山田湾文化復興祈念>パネル・ディスカッション 「陸中・山田湾文化の魅力を語り、未来に継承しよう!」 |
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パネリストは、小岩清水さん(自然地理)、高原勇夫さん(地質)、齋藤友里恵さん(歴史&グルメ)、 井山紘文さん(画家)、齋藤弘道さん(考古)、吉川國男さん(民俗)と多彩な顔ぶれです。 なお司会は、五十嵐聡江さんと蕨由美がつとめました。 |
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会場からは、千葉県から岩手県への応援に派遣され発掘調査にあたられた安井健一さん、NPO野外調査研究所所長で地質と地形の研究者堀口萬吉さんに、コメントいただきました。 |
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ディスカッションは、会場からの質問にパネリストが答えながら、現在のウニ料理などやグルメの紹介と過去に行っていたイルカ漁、民俗調査や言い伝えによる暮らしなどのほか、円筒下層式などこの地方に特徴的な土器の話や、小岩先生の大鷲を捕ることができた船越半島の猟師「漉磯(すくいそ)七兵衛」の物語の紹介など、多岐にわたる話題で盛り上がりました。 午後4時半、最後に蕨俊夫の「来夏の山田湾まるごとスクールでお会いしましょう」という呼びかけと挨拶で締めくくり、シンポジウムは無事終了しました。 |