2015.5.10
By さわらびY(ゆみ

74 2015馬場小室山遺跡クリーンアップ大作戦・青空考古学教室&ワークショップ


T 2015年GWみどりの日 埼玉県指定史跡「馬場小室山遺跡」に集う

 2005年から毎年恒例になった馬場小室山遺跡クリーンアップ大作戦と青空考古学教室も、2015年は11回目(2005年は3月にも実施、2012年は雨天中止)です。
 今年は、この春に埼玉県の史跡に指定されて初めてのイベント。
 いつものような晴天に恵まれ、大勢の市民や近所の子供が、馬場小室山遺跡に集い、新緑の遺跡を実際に歩き、ゴミを拾ったり、中央窪地や塚状の高まりなど縄文遺跡のかたちを体験しました。
   
朝10時、三室中学校前に地元の小学生や市民、遠方からのリピーターなど大勢集まってきました。
まずは、中学校庭のある低地と遺跡のある台地の標高差を体験しながら、住宅街の中の51号土坑のあった場所を確認しました。
武笠家が祀る小室神社をのぞくと、、その奥に馬場小室山遺跡の神秘の森があります。小室神社の祭神は女体神社と同じ奇稲田姫命です。
さあ、今日だけ許可された馬場小室山遺跡へ入ります。初めて来訪する方にとって、胸のたかなる時です。

史跡内のさいたま市教育委員会の解説板も、急遽「埼玉県指定文化財」に変更されていました。
遺跡内のゴミ拾いにいざ出発。

    
10年前、不法投棄のゴミが山のようだったころに比べて、風で飛んできた波板や発泡スチロールの欠片が目立つ程度で史跡内に目立つゴミはほとんどなく、伸びすぎたタケノコと格闘したり、折れた枝などを整理しました。


 今年も恒例の青空考古学教室は、NPO野外調査研究所の高原勇夫さんから見沼の地質について説明を受け、続いて斎藤弘道さんから石器のお話。実際に持って触ってその使い方など学びました。
馬場小室山遺跡の資料に加えて、見沼低地についての資料も配布。
希望者には「見沼100年構想の会」から提供されたポストカードも配られました。第6回プロジェクト未来遺産に見沼たんぼが認定・登録されたことを記念したカードです。

浦和支台と鳩ヶ谷支台の挟まれた芝川低地(=見沼)の構造と地質について説明する高原勇夫さん


斎藤弘道さんによる石器についてのミニ授業。
馬場小室山遺跡から出土したさまざまな石器のほか、茨城県の南台遺跡の石器を使っての説明に関心が集まりました。

井山紘文さんが、馬場小室山遺跡の残土などから蒐集した黒曜石の石器やヒスイの珠も披露されました。



U 三室公民館でワークショップ

  午後は、三室公民館で馬場小室山遺跡フォーラムのワークショップ。
 「先史産業考古学」構築への提案、イベントの打ち合わせ、情報交換やなどのほか、馬場小室山遺跡についてのプレゼンテーションを英語でWebにアップすることをめざして、どんな内容を伝えたいか、そしてその英語表現を、グループワークで考えました。
三室中学校英語部制作の馬場小室山遺跡を英語での紹介した動画作品を見ました。
インタビューに英語で遺跡の説明をしているのは、市民フォーラム事務局長の飯塚邦明さん。

馬場小室山遺跡についてのプレゼンテーションを英語で表現するグループワーク。
三室中学校で英語を永く教えていた先生が、応援に来てくださいました。
その先生の今日の俳句「なずな咲く 縄文の丘 子らの声」