2004.11.23 By.ゆみ

11 小春日和の中の馬場小室山遺跡見学会

 

発掘調査で明らかになった大きな円形土坑の様子を説明していただく

11月23日、今日は鈴木正博先生のご案内で、馬場小室山遺跡の見学会をおこないました。

 先生が用意してくださった実測図などの資料を参考に解説をお聞きしながら、工事の進行状況の把握だけでなく、遺跡の中とその回りを広く一周して地形の起伏を体験、縄文の環状盛土遺構について理解を深めることができました。

 11月18日付け鈴木先生のメール【市教委による文化財保護法遵守対応の件】では、『学術ボランティアとしての今後の対応は、「行政の責任」の監視とともに、馬場小室山遺跡の重要性を周知させる活動にシフトしていきます』と述べられています。

 今回の参加者は、先生ご夫妻を含む考古学の専門家が4名、私たち市民が5名。
 特に計画的に呼びかけたわけではないささやかな見学会でしたが、晩秋の小春日和の中、「遺跡の重要性を周知させる活動」の第一歩の記念すべき見学会となりました。


小室神社入り口で資料をいただき、スタート

武笠家のたたずまいと遺構の景観を探勝

西側から工事現場の様子を見る

北側の盛土遺構の森は秋らしく色づいている

地元代表飯塚氏が設置した遺跡説明板

小室社から中央窪地を探検

中央窪地を歩く

工事現場の脇にでました

南側境界から要注意部分(西の盛土)の様子を見る
 

「四本竹遺跡」の推定地付近

 
 帰りに皆で氷川女体神社と、この神社の「御船祭」渡御の祭祀場所であった「四本竹遺跡」の推定地まで車で行ってみました。
 「四本竹遺跡」は女体神社から国道463号線で芝川を渡ったさらに先で、現在は調整池の工事現場の中、ご案内いただかないとなかなか行きつけない所でした。

 平成元年から3年まで芝川見沼第一調整池建設工事に伴う発掘が行われ、江戸時代享保年間に見沼が埋め立てられるまで行われていた女体神社御船祭祭祀場所が明らかになったほか、縄文の土器片も多数発見されているそうです。

 かつての見沼田んぼ、その昔は海に続く湖だった広い見沼の原に立って、大宮台地に落ちていく真っ赤な夕陽を眺めながら、和気藹々と今日の見学会を終了しました。

 鈴木先生、ご案内ありがとうございました。