2008.7.30
By.さわらびY(ゆみ)

=姿を現した八千代市平戸台8号墳=
その発掘調査と見学ルポ 
No.8
  

7/30 空っぽの石棺と玉類
 ちょっと風がさわやかな7月30日、最後に残っていた人骨や鉄鏃片とこれらの下から見つかった貴重な玉類の取り上げも済んで、石棺は空っぽになりました。
 これから、この箱式石棺自体と、これを納めている掘り方の調査に入るとのことで、石棺の石が除けられるのはもうしばらく後でしょう。
 涼しい風がちょっとさみしい夏の日の夕でした。
 

すべて内部の遺物が取り出され、写真撮影用にお掃除

最後の計測
    

最後に見つかった玉類(左から管玉、棗玉、ガラス玉4こ、滑石製の臼玉、全部で8こ見つかりました)

平戸台2号墳や間見穴古墳では、たくさん出ていた玉類。
ここで、27日の現説までに見つかっていたのは、別の管玉1こだけでした。
担当者の願いが通じたのか、最後に、こんなに見つかってよかったです。




新川沿いに涼しい風が吹いてきます。↑

←石棺だけの写真です



☆  ☆  ☆  ☆  ☆

少しさみしいので、おまけの画像集を披露します

14年前の間見穴古墳群の現地説明会の写真です。
古いアルバムから写真をスキャナーで取り込みました。


1994年10月22日 間見穴古墳群調査現地説明会のアルバムから
 間見穴遺跡は、平戸台8号墳とは、今埋め立て工事中の小さな谷津をはさんで隣り合わせの遺跡で、県道61号バイパス工事区間が千葉県文化財センターで調査されました。
 鉄塔の前の台地の縁からは、古墳時代前期の古墳4基、後期の古墳5基が見つかっています。
 平戸台古墳群とともに、道地遺跡の大規模な集落の墓域であったかもしれません。
 特に、後期古墳のうち、5号墳と6号墳は、箱式石棺と副葬品が平戸台2号墳・8号墳と部分的に共通する点から、同時代の密接な関係が予測されます。

間見穴遺跡から新川を望む、
米本団地の給水塔は今と変わりません。

テントの手前側には竪穴住居跡が見える

鉄塔付近に間見穴古墳群の後期古墳がある。
平戸台はこの県道予定地の奥。

墳頂部に木棺直葬の3号墳(円墳・周溝外側での径は22〜23m)

4号墳(円墳・周溝外側での径は18〜19m) 
墳丘が削平されていたので、埋葬施設は不明。

5号墳の箱式石棺
(墳丘は削平されていた)

同じく5号墳の石棺 石材は筑波産雲母片岩

5号墳の内部、勾玉などを出土状態で置いてある

6号墳(円墳・全長は20mか)の箱式石棺
棺の外に馬具などの副葬品があった

5号墳6号墳からの出土品、直刀・玉類・馬具など