2005.2.11 By.ゆみ

15 皆が馬場小室山遺跡と出会った三室の一日 

みんなこの日を待っていた!

椅子が足りない!「小室山セミナー」
主催者の飯塚邦明氏のご挨拶


 2005年1月30日、それぞれの思いで、みんながこの日を待っていました。

 小室山の緑を身近にして暮らしていた方々、
 その森に眠る縄文遺跡に興味を持った人々、
 遺跡消滅を前に調査に入ったボランティア、
 新聞やネットで遺跡の危機を感じた市民、
 そしてはじめて馬場小室山を知った方、
1月30日は、その馬場小室山に寄せる思いを一つにする一日でした。

 遺跡の森、小室山を守る運動を続けてこられた飯塚さんが、地元住民向けに「小室山セミナー」を企画されたのが、2004年末。
 「小室山セミナー−音楽・絵画・そして考古学」というアプローチで、小室山の遺跡を知ってもらおうというソフトタッチなイベントです。
 
 このすばらしいセミナーに、ネットや口コミで関心をもった遠方の方々との貴重な出会いの機会にしたいと、セミナーの前に見学会、さらにあとに専門的な勉強会をコラボレーションして、丸一日、あるいは都合のつく時間帯のイベントに参加していただくことにしました。
 題して「1.30 馬場小室山遺跡と出会うちょっとリッチな集い」
 おいでいただいた方は、小室山セミナー約60人、午後の見学会16名、セミナーの後の勉強会25名ぐらい。70人以上の方が、この日、どこかでこの小室山遺跡と出会ったのです。


1.30 馬場小室山遺跡と出会うちょっとリッチな集い

 そして春まだ浅い1月30日は、次のようなプログラムで過ぎていきました。

AM: 浦和博物館見学&散策&ランチのミニ・エクスカーション
 さいたま市立浦和博物館を訪ねて小室山から出土した人面画付土器やその他の遺物を鑑賞、「やまぼうし」というすてきなお店でランチをいただき、馬場小室山遺跡の現状も視察、文珠寺を拝観、三室公民館の小室山セミナーに合流するというプラン。
 
PMT:「小室山セミナー=音楽・絵画・そして考古学」
 飯塚さんのピアノ生演奏のオリジナル曲「小室山のテーマ曲」にのせて、失われいく小室山の自然と遺跡、出土品の姿を撮影した映像作品を上映、小室山の表土からつくった土絵の具による絵画作品を地元の画家、井山紘文氏が紹介。
そして今回のメイン、鈴木正博先生の考古学講座『馬場小室山遺跡の「環状盛土遺構」と考古学研究上の意義』
 会場には考古資料も並べられ、手にとって「縄文時代」を体感できます。

PMU:「馬場小室山遺跡研究会 第2回ワークショップ」
 12月26日の第1回ワークショップの内容をさらに深化、日本先史考古学の変革を成しえた科学的精神に学、「環状盛土遺構」と縄文時代集落研究の統合から新しい視点が構築しようと、鈴木先生、斉藤先生が考古学最前線の問題提起をしました。(⇒レジュメ
 
 そして、終了後の夜の集いは、ワイン・アーケオロジーでの懇親。三室の夜は更けていきました。
 
当日の詳しい内容は
こちらをご覧ください
小室山セミナー 鈴木正博氏講演録 
『馬場小室山遺跡の「環状盛土遺構」と考古学研究上の意義』 

 ⇒PDFファイル(1.461KB)(ファイルサイズが大きいですが、読みやすく印刷向き) 
 ⇒HTMファイル(38KB)
⇒LINK 「H17/01/30 馬場小室山遺跡と出会うちょっとリッチな集い」
@Don PanchoのHP
橿原日記
 「小室山セミナー」開催 @ばんばおむろ山(セミナー主催者のHP)

2005.1.30 フォトアルバム


「深緑の中に甦る白亜の明治」浦和博物館の建物は、
明治11 年に建てられた埼玉県師範学校校舎
「鳳翔閣」の胴部外観を復元したもの


人面画付土器
縄文晩期(安行Va式)

土偶付土器
縄文後期

浅鉢形土器
縄文中期(加曽利ET式)

注口土器
縄文晩期(安行Va式)

浦和博物館展示の馬場小室山遺跡出土品

見沼の海のなごり、見沼たんぼの跡を見ながら
見沼代用水 西縁の堤を歩く

「やまぼうし」でランチ
手作りの陶器なども陳列されたしゃれたお店


宅地分譲中の変り果てた馬場小室山遺跡を視察

梅の咲き始めた文珠寺

氷川女体神社の別当だった歴史をもつ寺院

「小室山セミナー」での鈴木先生の講演
 
↑斎藤先生から石器の説明  これは曽谷式土器↑

馬場小室山遺跡研究会 第2回ワークショップにて
          
「小室山のテーマ曲」にのせて映像作品を上映    ↑発掘される大土坑の姿(調査を手伝った際の鈴木先生のスライド)